Webディレクターとしてクライアントワークをやっていたり、クライアントの要望をヒアリングしていると、稀に唖然としてしまうような要求をされることがあります。
「それはどう考えてもおかしいですよね?」
と言いたいところですが、ディレクターとしては仕事を逃したくないことが優先されてしまい、時には無茶な要求を飲んでしまうこともありますよね。
今回の記事では、クライアントから無茶な要求をしてきたときの対処法をお伝えします。
一見すると無茶な要求をしてくるクライアントは、どのような背景があって要求しているのかまで深堀して、対策を考えていきます。
クライアントの数だけトラブルはつきものですので一概には言えないこともあると思いますが、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
クライアントが悪気なく無茶な要望をしていることも
ディレクターからすると「冗談じゃない」と思うような無茶な要求も、もしかするとクライアントはそれが無茶だとわからずに依頼をしているかもしれません。
特にサイト制作やコンテンツ制作が初めての場合は、相場感やスケジュール感の基準がわからない可能性があります。
そのような状態では、当然、見当違いな要求になりがちでディレクターからすると「無茶な要求」になりがちです。
また、これまでに付き合いがあったクライアントだとしても、新たな制作物を依頼するときには感覚がわからずにざっくりとしたことを要求してしまうことも。
このように、唖然とするような無茶な要求がきたときは、そのほとんどは「クライアントが感覚をわかっていない」ことが原因です。
間に受けずに一旦吸収して冷静に対応する
クライアントから無茶な要求がきたとき、ディレクターとしての心構えは「真に受けないこと」が重要です。真に受けずに一旦吸収して、まずは冷静に受け止めましょう。
先ほども触れたように、無茶な要求の裏にはクライアントが相場感を理解していない背景があるので、ここで真に受けて反発すると対立するだけになってしまいます。
一旦冷静に受け止めることで、クライアントは何を求めているのか読み解くことができ、次の対応へと繋げることができます。
クライアントの要望を実現するために必要なことを伝える
無茶な要求に対して自分達もそのまま応えようとすると、疲弊する一方で苦しくなってしまいます。一度着手してしまうと後から追加で費用をもらうことは難しいため、疲弊せずに気持ちよく仕事をするためには、請ける前にしっかりと取り決めをしなければなりません。
ですので、要望を実現するため必要なことを正直に伝えて、まずは理解をしてもらうことから始めます。
特に伝えるべきことは、
- 工数はどのくらいかかるか
- 予算はどのくらいかかるか
この2点を明確にして見積もりを出します。
ここで正直に「ウチで案件を請けるとしたらこのぐらいかかります」と伝え、その理由を丁寧に説明します。説明をする際は資料を用意して、その場しのぎで言っているわけではないことをわかってもらうことも大切です。
クライアントとの乖離があるため、相手はWebの相場を理解していないことを念頭に置き、できるだけ丁寧に説明していきます。
決して自分達を蔑む必要はありませんが、高圧的にならないように、真摯に対応することで今後も良好な関係でお付き合いをすることができるでしょう。
要望の意図を汲み取り代替案を提案する
クライアントから最初に言われた要望に対して、それを実行するために必要なことを正直に伝えつつ、要望の意図を汲み取った上で実現可能で打倒な範疇の代替案を同時に提案できるように準備しましょう。
「無茶な要望」ということは、予算や納期に歪むが生じるから無茶なので、クライアントが想定している予算や納期の範囲でできることを提案します。
- クライアントの予算内でできること
- 想定されている期間内でできること
など、クライアントの最初の要望を一つの基準として、無茶だった箇所を実現可能で打倒な範囲の施策に変えて提案します。
この提案をしてあげることで、クライアントに「自分達が要望したことは無茶だった」と理解してもらいやすく、さらに、クライアントは仕切り直しで考えずに済むため、そのまま依頼をもらいやすくなります。
ここでの提案力、プレゼン力とリード力はディレクターの手腕が問われるところです。
無茶な要望を押し通すのは“お客様”ではない
無茶な要望に対して、本来必要な予算や納期の提案や、代替案の提案をしても、それでもなお最初の無茶な要望を押し通すクライアントも中にはいます。
クライアントの担当者も、上司から「予算の中でそれをやってこい」と言われているかもしれないので、担当者に同情できる部分もありますが、無茶だと伝えた上で押し通そうとする企業は、その先長く付き合うことはできないと思った方が良いでしょう。
付き合いや情けで請けてしまうこともあるかもしれませんが、その場合は「痛い目に合う」と覚悟した上で請けるようにしましょう。
痛い目に合うことをわかっていて、覚悟した上でも、いざその場面に直面すると「やっぱり断っておけばよかった」と後悔することがほとんどだと思います。
新米ディレクターが通る道と言えば、その通りかもしれませんが、必ずしも通らなくても良い道ですので、無茶だと感じたら断った方が無難でしょう。